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 若い女性がアダルトビデオ(AV)に無理に出演させられる経緯には、夢をかなえたい気持ちを巧みに利用される場合も少なくない。動画投稿サイト「ユーチューブ」を活動の主舞台とするユーチューバーのくるみんアロマさん(26)は、所属した事務所の「音楽デビューさせるよ」という言葉を信じた。雑誌でのヌード撮影からAV出演に至るまで、「だまされた」と過去を振り返った。(朝日新聞経済部記者・高野真吾、林美子)

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 事務所側に、AVに出たら音楽デビューできるのか、後押しをしてもらえるのかを何度も確認した。その度に「大丈夫だよ」「約束するよ」と言われた。次第に、「AVの仕事をやったら芸能界で成功できる」という事務所側の言葉を「1%でも信じてみよう」と考えるようになった。最後には出演を承諾した。

 (AV)撮影には「切腹する気持ち」で臨んで「死ぬ気で耐えた」。監督、ディレクター、カメラマン、男優と、事務所の人間ら男性10人ほどに囲まれた。 慣れない性行為に「痛い痛い」と叫んだ。「無理です」と叫んで撮影が中断しても、撮影側は「できるまで終わらないよ。こんなに時間がかかるのは、あなたぐらいだよ」と冷淡だった。「ここにいる大人全員、子どももいるし生活もある。あなた1人でみんなの生活を台無しにするのか」とも言われた。

 事前にAVメーカーとの面談があり、できない行為を伝える「NG項目」も提出していた。しかし、撮影当日はほとんど無視された。事務所の人間に過激な行為を強要された。「あなたができないと言うと、うちの他の女の子に仕事が来なくなる。迷惑がかかるから、ちゃんと対応して」 撮影終了後には下半身に強い痛みが残り、少量だが出血もあった。精神的に不安定になり、当日の様子を思い出す嫌な夢を何度も見た。 絶望的な気持ちに、事務所が怖い思いが重なり、恥ずかしさから誰にも相談できなかった。2本目にも出演するしかなかった。その撮影終了後、しばらくして事務所から電話がかかってきた。「『社長』がお金を持ち逃げした。他の女の子からもクレームがきている」 本当かどうか不明だったが、事務所とは徐々に連絡がつきにくくなった。
 
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 事務所に対しては、今でも「音楽への夢につけ込まれた」と強い憤りを感じる。事務所の「社長」は朝日新聞の取材に対し、イメージDVDの作製に関わったことは認めたものの、AV出演には「私は関与していない。別の人たちがやったことだ」と述べた。くるみんさんは現在、AV被害の支援団体に相談し、被害の拡大を防ぐ方策を取り始めている。

このような被害がどうしたらなくなるか、業界全体の問題だよね

追記